ぺんまんだら 平成四年十一月 四号
[まんだら H4.11]
毎週土曜日の「朝日歌壇」の和歌の一つ
老いてなお同窓会に背を向くる友の真根推して淋しも(熊本 M.T氏)
ここには、〇〇も△△も何があったかも語られていない。それらとはまったく無関係かもしれない。
私が小学校三年生のとき同じ組の級長をしていた女の子が体操の時間にとき、そのこと手をつなぐ順番が来ても、汚いものにさわるように、その子は私の手をにぎらなかった。私はつぎの日から学校へ行くのをやめた。
母親からわけをきかれたが悲しませるだけだと思うとわけは言えなかった。
母親もそれと察したのか深くはきかず、それっきり学校はやめてしまった。
級長をしていたそのこは、師範学校を出て教師となり、今は定年退職し、婦人会長をしている。このあいだ、ばったり駅前で出会った。
やあ〇〇さんお久しぶり、なつかしいねえ、ぜひ同窓会にきてちょうだい。と走りよってきて、私の両手をにぎって、そう言った。
少女のころ、あの日、にぎらなかった私の手を、今にぎって。
だが、わたしの幾十年来の、心の傷は、未だ癒えていないのに・・・・・・
[大法輪11月号] 川内 俊彦
繁昌
